拗らせた貴腐人の行く末

四十路となった腐女子はどこへ向かうのか。向かう場所はあるのか。そんな感じ。

『花嫁になる条件』を読んだ

四十路を越えたことで、ひとまず「怖いもの」は数少なくなった。

相変わらずこいのぼりは怖いけど、その程度である。

 

さて。そんな年代。

今では本屋のBLコーナーもレンタルDVDのR18コーナーもお茶の子さいさいだ。

よく考えたらこれも昔から平気だったな。

むしろ最近の方がレンタルのR18は近づかないようにしている。

赤い幕の中にいる方々に驚きとあせりを与えてしまうから。

 

そんな私ですら、本屋でスルーする場所がある。

いや、正確には「あった」。

なぜなら今回、きっちりとその場所でじっくりと品定めをしたから。

 

そのコーナーとはかの有名な「ハーレクイン」である。

 

今まで全く恋愛ものに興味がなかった、

ましてやハーレクインなる世界では、伝え聞いた噂では「王子様」やら「大富豪」がゴロゴロしてるとのこと。

 

そんなのBL世界も飽和状態。

 

しかし何か新たな世界を切り開かないと、四十路の楽しみはなかなか見つからないであろう。

そんな意気込みで、ハーレクイン界にどっぷりと浸かっている友人に助言を求める。

「あんた絶対途中で飽きそうだから、最初コミック読んでみたら?」

ありがたい。25年ほどの付き合いのある友人の助言は間違いないだろう。

 

そこで本屋に行ってみると……

 

すっごいあるのね。

半端なく種類あるのね。

書いていらっしゃる方の数も多いのね。

 

入口から既に「四十路貴腐人の知らない世界」だった。

 

そんなハーレクインのコミックだったが、もう謝る。

ごめんなさい。買えなかったです!!!!

 

なんかもう、これ買うなら男同士がいちゃついてる表紙を買うよ!!

というくらい貴腐人には拷問レベルの表紙。

いや、普通に綺麗な男女がいちゃついてるだけなんですよ。

 

しかしタイトルが「花嫁になる条件」。

 

これを私が買うんですよ?この人花嫁になりたいんかな?

それともまだ夢見ちゃってるのかな??

とか、本屋の笑顔のかわいい加藤さん(仮名・女性)に思われたりするんですよね。

 

無理でした。

 

というわけで、方向性を変えて電子書籍で購入。

初めてエロ本を買う男子中学生か。

 

電子書籍が苦手ならネットショップも有り。

 

何故私がこの本を選択したか。

それはコミカライズされてるのが「藤田和子」先生だったから。

 

若い方はあんまりご存知ないかもしれませんが、

氷室冴子先生原作の「ライジング!」という作品好きだったんです。

うん、それだけ。

 

※こちらの作品は「宝塚」をモチーフにしているので、ご興味のある方はぜひ。

 

ではいよいよ、読みますよ。

花嫁になる条件とやら、教えていただこう!

 

(約20分)

 

読み終わっちゃったよ……正直拍子抜けなほどあっさりと読み終わっちゃったよ。

 

内容としては想像通りです。

貧乏なヒロイン(子持ち・職業トイレ掃除)の元に、夢のような男性(金持ち・イタリアンイケメン)が現れる。

紆余曲折あって、二人は無事に幸せに。

私が書くと身も蓋もない感想文になりますね。

冷静に書くとこうなるんです。

 

素直に私の胸の内を表すとしたら、

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ///

です。

 

ハーレクインって本当に「理想」の恋愛像なんだな、と。

 

これが私の理想というわけではないですが、「誰か」の理想ではある。

君はもう何も心配しなくていい、という金銭的救いの手はあるが、

そこに感情のかけらも何もないという男性が、次第に自分に甘くなっていくわけですよ。

このヒーローも最初はヒロインのことを名前ですら呼ばないのに、

最後には「カーラ」とか呼んでます。

カーラってイタリア語で「愛しい人」とかって意味らしいですよ。

ここぞってところで使ってみましょう。いつかはわからない。

 ツンデレ好きにもたまらないシチュエーションではないでしょうか。

 

登場人物の中に救いの人がいました。

金持ちイケメンサイドがみんな、ヒロインに冷たくなくて良かった。

今回のヒロインは子持ちなんですけども、この子の出生の秘密のところでは、

「ヒロイン!もっと早くネタバレしようぜ!?」とも思いました。

 

今回の主人公は、お金がないために身なりを整えられず、

髪も服も顔もボロボロ設定だったんですが、

もちろんイケメン旦那がそれを見過ごすわけがありません。

磨きます。もちろん。ピカピカになるまで。

そしてやっぱり美人になるわけですよ、ええ。

 

これ、ほかの作品もそうなのか、まだ読んでいないので不明なんですが、

パッと見、全然美しくないヒロインが磨けば光る、というのは、

ハーレクイン界では定説なんですかね?

このシンデレラ感はやっぱり必要なのかな。

他の作品も読んで、ここは検証します。

 

もちろんいじわるなライバルも出現しますが、こちらは最初からヒーローに嫌われていたのであんまり出番なし。

 

全体を通して、最高!面白い!というものではなかったですが、

読まないままで終わるのも、まぁもったいないかも。くらいに認識は変わりました。

 

しかしこれ、コミックだったからかもしれないな、と思うと、

25年来の付き合いってやはり怖いな、というのが今回の感想です。

 あとこれ読んでも絶対に、「花嫁になる条件」はわからん。